解決できるお悩み
子どもが曲がれるようになるには何をすればいいの?
この記事は子どもがパラレルターンできるようになる3ステップのうちの、3つ目のステップです。テーマは「曲がる」です。曲がることをボーゲンと言います。ボーゲンができれば、パラレルターンまであと少し。読み終えれば、ボーゲンのアドバイスを子どもにできるようになります。
1.ボーゲンで曲がる方法
曲がる方法は特にありません。止まれたら、教えなくても曲がれます。「曲がるんだよ」と言わなくても、周囲の大人はターンをしているので、子どもは真似してターンをします。うまく曲がれないときはㇵの字ができていないときです。左右のスキーの先が離れてしまっていることが多いので、声をかけてやってください。ターンをしないときは、それで良いです。子どもがいつかターンをしたくなるまで待ってあげてください。どうしてもターンさせたいときは、大人の後ろをついてくるように言ってください。大人が曲がれば子どもも着いてきて一緒に曲がります。ㇵの字ができていれば、簡単に曲がります。
2.ボーゲンの質を上げるためのポイント
質の高いボーゲンと、そうでないボーゲンがあります。スキー上級者はボーゲンしていてもカッコいいのです。質の高いボーゲンができればいつの間にかパラレルターンになっています。
2-1.ブーツのベロにスネをあてること
最初のポイントはブーツのタングとスネが接触していること。「足首を入いれる」「足首を曲げる」「スネを前に倒す」などと表現します。スキー上級者はこれができます。上手でないは人はこれができず、おしりを突き出すような姿勢になります。子どもが小さいうちは中々理解が難しいかもしれませんが、できるできないは別にして、必ず教えてあげてください。
step.1 「ブーツのタング」を教えてあげてください。 step.2 止まった状態でブーツのタングにスネを当てさせてください。 step.3 滑っているときにタングにスネを当てることを意識させてください。
すぐにできたらすごいです。できなくても、理解できたらそれでいいです。滑っているときにたまに声をかければ、そのうちできるようになります。
2-2.思い通りに曲がること
大人の後につかせて滑らせてください。これをトレインと言います。子どもは初めは不安の中で滑ります。どこまで行くのか、どこを滑ればいいのか、ちゃんと止まれるかどうか、 恐る恐る滑ります。前に大人がいるだけで安心します。また、ターンの大きさを瞬間的に調整しながら滑るので、ゲーム感覚で面白いものです。 下の動画は、私の後ろについてくる子どもを撮影したものです。子どもにペースを合わせながら曲がっている様子がわかると思います。
ただ、いつもトレインでは自由に滑れないので、子どもは退屈するときがあります。そんな時は、大人の前を滑らせてあげてください。ただし、条件が2つあります。1つは何度も滑ったことのある斜面を使うことです。もう一つは、止まる場所を確認することです。安全に気を付け、滑らせましょう。
2-3.スピードを出すこと
ボーゲンのとき、足の開きを小さくしていけばパラレルターンに近づいていきます。ボーゲンのときの足の開きが大きいほどスピードがおち、開きが小さいほどスピードが出ます。つまり、ゆっくり滑っていてはパラレルターンは難しいのです。なるべくスピードを出し、足の開きを小さくするようにしてください。ウチの子はゆっくり安全に滑るのが好きだったので、「スキーは速い人がうまいんだ!」と、いつも言っていました。ただし、急な斜面や混雑した斜面ではダメです。滑りなれた緩斜面が適しています。安全第一で取り組んでください。 緩斜面を滑っている動画と、中斜面を滑っている動画です。緩斜面でスピードを出している方が、パラレルっぽいのがわかると思います。緩斜面を何度も滑ることも大切ということがわかりやすいと思います。
緩斜面を滑る映像 ↓
中斜面を滑る映像 ↓
2-4.どんな斜面でも滑れること
たくさんの斜面を経験させてあげてください。子ども用に簡単な凹凸のあるコースを準備しているスキー場もたくさんあります。また、雪が多く降ったときはフカフカの雪を滑らせてください。足の幅を大きく開けているとスピードが落ち滑るのが難しいので、足の幅を狭くしやすい状況です。大丈夫そうなら急斜面も強引に連れて行っても良いです。ちょっとした目標になることもあります(難易度が高すぎると泣くので注意)。また、パークなどもおすすめです。ちょっとしたジャンプを楽しむことができますし、練習にもなります。板をそろえることばかりにこだわらず、たくさん滑らせて楽しませることを大切にしてください。 戸隠スキー場の子ども用のコースの動画です。障害物があると楽しく滑れます。
3.アドバイスの際の注意点
3ー1.声掛けのタイミング
パラレルターンを目指すのは、スキーを存分に楽しむためです。なので、アドバイスをしすぎることで嫌な雰囲気になるのは本末転倒です。私は細かいことはほとんど言わず、子どもが「楽勝」と感じるような環境で滑らせています。それを繰り返しているうちに、子どもは次のステージへ進みたくなります。そのとき、初めて次のステップへ進みます。
3ー2.専門家に任せるとき
もし早く上達させたいのであれば、プロに任せた方がいいというのが実感です。スキースクールに入るのが手っ取り早いです。スキーが上手な人と滑るだけでも子どもは上達しますし、グループレッスンで同年代の子と一緒に滑ることも刺激になります。スクールに入れずに技術的な指導をしたい場合は、専門書やyoutubeに良い情報がたくさんあるので参考にしてください。専門書では「楽しくてぐんぐん上達!こどもわくわくレッスン」というものがおススメです。カラー写真が豊富で非常にわかりやすく、楽しめる工夫がたくさん載っています。動画は、「チャレンジワールドスポーツ」と言うチャンネルの動画がお勧めです。まさに王道のレッスンと言う感じです。
4.まとめ
チェックリスト
- ブーツのタングとスネが接触していることを教える
- たくさん滑らせる
- アドバイスのし過ぎは嫌な雰囲気の元
- 専門家に任せるという選択肢も忘れない